
真由美は愛想笑いをしない。
ドキドキするほど、こちらの目をまっすぐに見る人。
そのせいで初めて会ったとき、ちょっとこわかった。
もう17年以上も昔のこと、真由美はまだ10代だったね。
「あ、『テマリ』。」とすぐわかった。
天井桟敷の第29回公演「百年の孤独」の中で「テマリ」は、
寺山さんの遺言(?)みたいなセリフと共に昇天する。
真由美はこのとき新人だった。
「テマリ」の手のつけられない無邪気さと可愛らしさは、
死の匂いがする。
「ブルー」は、静かな、腐った、深い絶望と倦怠の中にいる。
乱暴に男に弄ばれて、反り返る(『爆烈都市』監督/石井聰互)。
今もこの二人が、真由美の中に棲んでいる。
誰とも焦点を合わせない、うつろな目をした男と女を描く、
現実の彼女は、とてもかわいい人。
礼儀正しく、思いやりにあふれている。
一生懸命で、よく笑う。
きっと、今どきの「魔性の女」は、流し目で思わせぶりに
男を誘ったりしないんだろう。
そんなことは、もう誰でもできる。
何もかも信じている、打算のない、傷つくことも恐れない、
まっすぐな目。
そう言えば、葉月里緒菜を初めてTVで見たとき、
真由美に似ていると思った。
でも、「え? どこが?」と、みんな首をかしげる。 (K.Y)